頬杖が下顎骨および顎関節部に与える生体力学的影響について

  • 高柳,譲司
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 松井,成幸
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 西尾,日朗子
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 細川,尚生
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野
  • 鐘ヶ江,晴秀
    明海大学歯学部形態機能成育学講座歯科矯正学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Biomechanical effect of Resting the Cheek on the Hand to Mandible and Temporomandibular Joint

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説明

下顎骨に対するメカニカルストレスは,骨の形態変化を引き起こし,顎関節症の誘因になることが知られている.そこで本研究では,メカニカルストレスの一つと考えられる頬杖が下顎骨および顎関節部に与える生体力学的影響を調べることを目的とした.方法は頬杖を想定した三次元有限要素モデルを用い,下顎骨へ2kgfの荷重をオトガイ部,右下顎骨体部および右下顎角部の3か所に付与した.また各部位よりFH平面に対して0°, 45°および90°の3方向で合計9種類の応力解析を行った.その結果,下顎骨体部と下顎角部に荷重を付与した0°および45°モデルでは,下顎舌側オトガイ部で強い圧縮応力がみられた.顎関節部では,下顎骨体部と下顎角部に荷重を付与した0°と45°モデルの右側関節窩で内側,左側関節窩で外側に強い圧縮応力がみられた.本研究結果から,頬杖の部位や方向によりさまざまなタイプの応力分布が下顎骨や顎関節部にみられることが明らかとなった.このことから頬杖は顎関節症の誘因となりうるとともに応力が不均衡な場合は下顎骨や顎関節部において非対称的な変形を引き起こす可能性が考えられた.

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参考文献 (24)*注記

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