黒ボクの安定処理について一試験による所見

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抄録

阿蘇原野に広く層状をなして分布するシルト質土(いわゆる黒ボク)からなっている熊本新空港の建設地点の現場実験, 室内実験についての報文である。まず黒ボクの土質工学的性質の概要を一連の規格試験により示し, 締固め試験において, 黒ボクも他の火山灰土と同様に初期含水比を減らすことが締固めに有効であることをあげている。さらに生石灰, 消石灰, カーバイトを添加剤とするときの安定処理効果を検討し, 生石灰においては理論的に計算される必要含水量よりもかなり多量に消費され, 初期含水比の低下に対する貢献度が最高であるとしている。さらにそれによる処理土の突固め曲線が非常にシャープに立ち上がり, 強度増加効果も良好であるとしている。またCBR値などの処理効果を示す諸値については路床材料として合格するためには, 添加率10%以上の高率でなければならないとしている。また習志野の火山灰土と黒ボクの比較において, 同じ有機質火山灰土でありながら, その自然含水量, つまり水を含む能力の違いを強調し, 土質安定処理上の一つの問題点としている。

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