工事に伴う環境調査要領

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説明

近年, 土木建設工事の施工中に生じる騒音, 振動などの環境障害が, 建設公害として問題となってきており, 構築物を中心とした施工管理に加えて環境管理(工事個所周辺環境保護のための管理)が必要となっている。本報告は, 建設公害に対処するために東京都建設局が作成した環境調査要領の概要を紹介したものである。初めに, 本要領の作製経緯を述べ, 工事に起因する環境障害の発生機構および発生の誘因別形態の分析を行ない, 次に, 本要領の運用には, 施工管理と環境管理が不可欠であるとし, 本要領が賠償事務処理上の検討資料として重要であると指摘している。ついで, 本要領の本文(環境要領)の5調査種目, すなわち(1)騒音, (2)振動, (3)地盤変形, (4)地下水変動, (5)家屋の各調査につき, 一般事項, 調査, 報告の各項目の概要を紹介している。上記5調査種目に加えて, 地下埋設物調査, 文化財調査, 酸欠調査の追加が考慮中であると述べて, 最後に, 建設公害への対処のかぎは, 工事発注者, 施工者がこの種の問題にどの程度の認識をもって住民に誠意を示すかにあるとしている。

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