正常咬合者および顎変形症患者のスマイル動作の三次元解析

  • 石川,貴子
    九州大学大学院歯学府口腔保健推進学講座
  • 斉藤,陽子
    鹿児島大学医学部・歯学部附属病院麻酔全身管理センター・歯科麻酔科
  • 村岡,史麻
    九州大学大学院歯学府口腔保健推進学講座
  • 北原,亨
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 五百井,秀樹
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
  • 中島,昭彦
    九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Three-dimensional analysis of smile movement using high speed cameras for the subjects with normal occlusions and jaw deformities

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説明

本研究は,咬合あるいは顎顔面形態の異常がスマイル動作にどのような影響を与えるかについて調査することを目的とした.被験者として個性正常咬合者20名と顎変形症患者10名を対象とし,被験者の顔面上には運動計測点として上唇,下唇,左右口角,左右頬の6か所,基準点として上顔面の3か所にマーカーを貼付した.スマイル動作における各マーカーの動きを3台の高速度カメラで自動追尾し,三次元動作解析ソフトにて解析した.頭部の動きは基準点で構成される三角形を用いて補正し,頭部固定は行わなかった.計測はそれぞれの被験者で3回ずつ実施し,その平均を計測データとした.得られた結果は,正常咬合者群に比べて顎変形症患者群のスマイルは,下唇が下方,側方に大きく動き,後方への動きが小さかった.上唇,口角,頬部の動きは総じて小さく,特に上方および側方への動きが小さかった.顎変形症患者群では,スマイル動作が終って平常時に戻る動作が遅れる傾向がみられた.以上の結果より,スマイル動作において,顎変形症患者では正常咬合者とは異なり,口唇や頬に異常な動きがみられ,形態異常が自然なスマイルを表出する妨げとなっていることが考えられた.

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被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (29)*注記

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