7. ポリアクリルアミド包埋法

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説明

超薄切片上で免疫組織化学あるいは組織化学的染色を行うためには、抗原性や酵素活性を損わない包埋法が必要である。その目的のため過去いくつかの方法が報告されているが、今回私達はacrylamide-bisacrylylcystamineを包埋剤として用いると、重合後低濃度のメルカプトエタノールで処理することによって容易にゲルの可溶化が出来る。従ってこの系を用いて包埋後、超薄切片を作製し、メルカプトエタノールで処理することによって包埋剤を除去することができるので、高分子である標識抗体の浸み込みも容易となる。包埋法は固定後の組織を4ml acrylamide溶液(670mg acrylamide monomer, 55mg bisacrylylcystamine), 1m10.5M Tris-Hcl (pH74), 20μl TEM ED, 20μl 1% riboflavinの混合液に0℃で一晩浸した後、紫外線重合を行った。重合後水洗し、デシケータ内で乾燥した。超薄切片を作製しメルカプトエタノールを用い樹脂を溶解後、抗体を作用させた。この方法によって耳下腺のDNAaseや膵臓の各種加水分解酵素の検出が可能であった。一方酵素活性を二段階で検出する例としてグルコースオキンダーゼの検出を試みた。

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