イネのアレロパシー活性に対するコナギおよびアメリカコナギの感受性の差異

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  • Difference of sensitivities between Monochoria vaginalis and Heteranthera limosa with allelopathic potential of rice (Oryza sativa L.)

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抄録

イネのアレロパシー活性がミズアオイ科の水田雑草コナギあるいはアメリカコナギに及ぼす影響を検討した.6葉期におけるイネ苗の培養液について,「PI312777」は供試した他のイネ品種と比較してコナギあるいはアメリカコナギに対する抑制効果は見られなかった.一方,「紅血糯」あるいは「陸羽132号」はコナギ種子根長を抑制したが,アメリカコナギ種子根長はいずれのイネ品種に対しても顕著な伸長阻害活性を示さなかった.異なる2草種の検定用植物に対して同時にイネのアレロパシー活性を評価できる2草種同時検定法を開発したが,いずれのイネ品種についてもコナギあるいはアメリカコナギに対する抑制効果に高い相関は見られなかった.イネの他感物質とされる4種のフェノール性化合物について,コナギおよびアメリカコナギの種子根伸長に及ぼす影響はそれぞれ異なっていた.しかし,カフェー酸に対する感受性は,両草種ともレタスと比較して高かった.以上の結果から,同じイネ品種においてコナギはアメリカコナギと比較して種子根伸長が強く阻害されていたことから,イネのアレロパシー活性に対するコナギとアメリカコナギの感受性はそれぞれ異なっていることが示唆された.

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