臍帯血流遮断による無心体双胎の子宮内治療
書誌事項
- タイトル別名
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- Fetal Therapy in Utero by Blockage of the Umbilical Blood Flow of Acardiac Monster in Twin Pregnancy
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説明
われわれは, 最近経験した1児が無心体の双胎妊娠2例を対象に, 健常児救命の方法を検討した. そしてその1例において, 本症の根本的な治療として無心体の子宮内臍帯血流遮断に成功した. 症例1においては, 子宮収縮抑制剤投与, 羊水穿刺, 無心体の嚢胞部分の穿刺を施行し早産予防に努めたが, 妊娠27週に早産となり健常児を救命できなかつた. そこで症例2においては, 妊娠23週に超音波誘導下にsteel coilを無心体の臍帯血管のすぐ近傍に留置し無心体の臍帯血流を遮断した. その結果,無心体の増大や羊水過多は止まり, 健常児の心機能も改善した. 妊娠は38週まで継続し, 2,237gの生児を得ることができた. また, 母体ならびに健常児に対する合併症は認められなかつた. 無心体の子宮内臍帯血流遮断は今までに報告がない. われわれの方法は有効で, しかも母体ならびに健常児への危険性が少ない方法であると思われる.
収録刊行物
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- 日本産科婦人科學會雜誌
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日本産科婦人科學會雜誌 41 (11), 1803-1809, 1989-11-01
日本産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1541135670287535232
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- NII論文ID
- 110002103966
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- NII書誌ID
- AN00190060
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles