洪積段丘砂レキ層中のシールド計画について

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抄録

神戸市の地下鉄工事のうち, 洪積段丘砂レキ層を通るシールドとそれに伴う地盤安定処理工法の計画およびパイロットシールドの施工結果の報告である。現地試験においては, 漏気は発進部のカバーロックの硬い部分ではほとんどなかった。しかし, 地盤は被圧地下水帯であるため送気圧が増加すると水位の低下効率はさがる傾向にある。したがって, 圧気工法では理論的に多量の空気量が必要とされた。酸欠空気については, 送気開始時には発生するが, 長期間の継続送気によって酸素濃度は回復した。また地下水の強い流れも観測された。これらに対する工法としては一部ディープウェルと, カバーロックのない到達部ではパイロットシールドからのウェルポイントにより排水した。また発進部防護, 構造物防護, 軌道部横断には事前の注入を, シールド切羽の防護にはシールド内よりクラウン部への注入が計画されている。排水工法や注入工法による地盤改良を行なったパイロットシールドの施工結果, 湧水量や漏気量は予定より少なく, 周辺井戸への漏気や地盤沈下も少なく, 切羽の安定も確保されたと報告している。

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