下顎前突症患者における内側翼突筋の 3 次元的評価 : CT 画像再構築による分析

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  • Three-dimensional evaluations of the medial pterygoid muscle in patients with mandibular prognathism : Analysis through use of reconstructed CT images

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以前より内側翼突筋の走行方向・面積については多くの研究が行われ, その評価と顎顔面の形態との関連性が示唆されてきた.しかし, 多くの研究は2次元の評価であり, コンピュータ上で3次元的な方向を考慮し評価した研究は少ない.今回われわれは, 本学歯科放射線学講座に所蔵の骨格的不調和を認めず咀嚼筋に疾患を持たない82人(健常群, 平均年齢25.5歳)を抽出し, これを対照として左右対称な下顎前突症患者35人(患者群, 平均年齢22.5歳)の外科手術前のCT画像データを分析した.コンピュータ上で内側翼突筋のトレースを行い筋肉の中心を求め, その画像を3次元画像構築し, 筋肉の走行方向と断面積を求めた.走行方向・面積について左右差の検定と健常者と下顎前突症患者の2群間の比較を行った結果, 健常者群, 下顎前突症患者群ともに内側翼突筋の走行方向・面積に左右差は認められなかった.健常群と患者群の比較では, 患者群が走行方向の角度・面積ともに健常群に対して有意に小さい値を示した(p<0.01).今回計測した健常群の走行方向は以前の報告と比べて前額面, 矢状面ともに大きな値を示し面積に関しては今回の数値の方が小さな値を示した.下顎前突症患者の内側翼突筋の走行方向は, 健常者のそれに対し前額面から見るとより垂直に, 矢状面から見るとより前方に傾斜し走行していた.また面積も小さい値を示していた.

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参考文献 (18)*注記

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