多嚢胞性卵巣症候群に対する腹腔鏡下卵巣パンチ切除術の臨床的, 内分泌的効果について

書誌事項

タイトル別名
  • The Clinical and Hormonal Effects of Laparoscopic Multiple Punch Resection (MPR) of Ovary in Polycystic Ovary Syndrome

この論文をさがす

抄録

多嚢胞性卵巣症候群 (PCO) に対する手術療法である卵巣楔状切除術 (WR) にかわり, 卵巣表面に透見される卵胞をねらって7~10カ所を生検用鉗子でパンチ切除を行うLaparoscopic Multiple Punch Resection (MPR) を開発した。11例のPCO例に試みた結果, 10例に術後自然排卵を認め, 7例が妊娠に成功し, 術後排卵率90.9%, 妊娠率63.6%と良い成績が得られた。また手術前後にわたる連日採血によるホルモン測定の結果, LH, FSHは著変なくTestosteroneの低下が認められ, これらは著者が以前報告したWRによる変化によく似ていた。MPRは腹腔鏡下で行うので手術侵襲が少なく, 術後の卵巣・卵管周囲癒着の心配も少なく, 手術効果が薄れて再び無排卵状態になっても再手術が可能であり, 他の不妊因子の検索も可能であることなどの点から, PCOに対しては, 手術療法はまず腹腔鏡下にMPRを試みるべきであると考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ