子宮体癌術後の再発危険因子の解析と有効な補助療法に関する検討

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  • Analysis of Risk Factors for Recurrence and Effective Adjuvant Therapy in Patients with Endometrial Cancer

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説明

子宮体癌術後の再発予防に役立てることを目的として, 再発危険因子と適切な補助療法について検討した。対象は1985年から1999年の間に当院で初回治療を行った子宮体癌170例で, 再発・予後との関連を, 手術進行期別に病理組織学的因子, 術式, 術後補助療法について後方視的に比較した。結果として以下のことがわかった。1)I, II期の予後は良好であったが, Ib期以上で術後の再発症例を少数認めた。再発部位は腟壁が多く, 再発までの期間は半年以内の早期再発がほとんどでうち約半数は化学療法施行中に生じた。無病生存率に対して病理組織学的因子と術式について多変量解析を行った結果, 筋層浸潤の程度のみが独立した予後因子であった。2)子宮外進展を認めるIII, IV期症例は予後不良であったが, IIIa期の腹腔細胞診陽性, 卵巣転移, IIIc期の骨盤リンパ節少数転移群は比較的予後良好であり, III期症例では漿膜浸潤の有無が重要な予後因子であった。3)肉眼的に根治手術を施行できたI~III期症例の術後補助療法については, 放射線療法施行群がプラチナ製剤を含む化学療法施行群よりも有意に術後再発率が低かった。以上のことから, I~III期までの根治手術が可能である症例においては, 再発危険因子として筋層浸潤の程度が最も重要であり, 術後補助療法については化学療法よりも放射線療法の方が有効であることがわかった。

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