妊娠ラットにおける脂質およびリポ蛋白代謝

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  • Lipid and Lipoprotein Metabolism in the Pregnant Rat

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抄録

妊娠母体は非妊時に比べて高脂血症の状態になっており、特に重症妊娠中毒症ではその傾向が顕著である。今回は妊娠中毒症の脂質およびリポ蛋白代謝を解明すべく、高血圧自然発症ラット(SHR)をそのモデルとしてWistarRatを対照として妊娠時の変動を比較検討した。その結果、SHR、Wistar両群とも妊娠時にはカイロミクロン、VLDL画分中の中性脂肪の増加が特に著明であり、血清中性脂肪濃度はWistarで8.9倍、SHRでは13.0倍にも増加した。またAtherogenicIndexもWistarで0.92、SHRでは2.54とSHRが有意に高値をしめした。カイロミクロン画分中の中性脂肪の増加率は、Wistarが9倍であり、SHRは64倍と有意に高値を示したが、VLDL画分中の中性脂肪の増加率は両者に有意差はみられなかった。LDL、HDL、VHDL画分におけるWistarとSHRの差はみられなかった。以上の結果より、SHRは妊娠によりWistarに比べてより高脂血症、高リポ蛋白血症を呈しやすい種属といえる。

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