関東平野(その 2) : 千葉の地盤沈下

この論文をさがす

抄録

地盤沈下は江戸川左岸・京葉臨海・九十九里各地域に拡大し, 建造物の損壊・基礎の抜け上がり・墓石の埋没・海水の逆流・内水氾濫などが生じた。房総半島中部はケスタ構造の地形を示しており, 上総掘りで知られるように地下水はアーテシアン構造のなかで良く被圧され, 各用途に利用されている。第三紀層には水溶性天然ガスを含むかん水がはい胎し, 工業・都市用にガスが, ヨード工業にかん水が供給されている。浦安地区の沈下は地盤沈下観測井の測定・水準測量から約60%を地表面下60mまでの, 約30%を220m以深の地層収縮によっていることが知れ, 船橋地区では約100%近くを200m以深層の収縮によっている。観測井の深度によって区切られる地層の地下水位-地層収縮関係を考察すると水位回復にかかわらず地層収縮を見せる浦安地区の60m以浅層, 水位に対応して弾性変形を示す浦安地区の220m以浅の地層, 船橋地区の200m以浅の地層, また著しい水位低下による地層収縮とひきつづく水位回復に伴う若干の膨張を見せる船橋地区の200mの以深層の変動などその関係に3種類のパターンが見られる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ