赤血球濃度が血液凝固に及ぼす影響 : 男性, 非妊娠女性および妊婦について

  • 壽圓,裕康
    自衛隊仙台病院産婦人科:(現)自衛隊中央病院産婦人科

書誌事項

タイトル別名
  • The Influence of Erythrocyte Concentration on the Blood Coagulation ; In the Cases of Males, Non-pregnant and Pregnant Females

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説明

目的 : 赤血球の血液凝固促進作用を調べるため, 赤血球濃度が凝固開始時間に対して及ぼす影響を検討した. 方法 : 男性, 非妊娠女性および妊娠末期妊婦それぞれ20名の血液を用いた. 採血直後に非凝固性とした血液から, 赤血球濃度を段階的に増加させた血液試料を作成した. 凝固開始時間(Ti)を減衰振動型レオメーターにより測定した. 結果 : 男性血液と非妊娠女性血液では, 赤血球濃度が高まるとTiが短縮した. 同じ赤血球濃度群ではTiに男女差は認められなかった. これらの全症例において, Tiは特に赤血球濃度5.0×10^6/mm^3を境として有意に(p<0.01)短縮した. 一方妊娠末期妊婦血液では, 赤血球濃度を増加させる前の段階からTiが早く, 赤血球濃度増加によるTiの短縮は認められなかった. 結論 : 妊婦を除く成人の血液では赤血球濃度依存性にTiが短縮したことから, 赤血球細胞膜も血小板のそれと同様に内因系凝固反応を促進する可能性が示唆された.

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