BRCA1, BRCA2遺伝子に異常を認めない家族性上皮性卵巣癌症例におけるLoss of heterozygosity(LOH)解析による遺伝子不安定性に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Genomic Instability Study on the Japanese Familial Ovarian Cancer without Germline Mutation of BRCA1 or BRCA2 by Loss of Heterozygosity Analysis

この論文をさがす

説明

家族性卵癌63家系の遺伝子解析にて, BRCA1道伝子に突然変異の認められた家系は39家系, BRCA2遺伝子に突然変異の認められた家系は5家系であり, 残りの19家系においては, BRCA1, 2両遺伝子の突然変異は検出できなかった.この19家系の家族性卵巣癌患者40例と新潟県腫瘍登録調査に登録された卵巣癌患者1, 299例(コントロール群)について臨床, 病理組織学的に検討を加えたところ, 平均発症年齢は家族性群で45.7歳とコントロール群54.2歳に比較して有意に若年であった(p=0.0001).全染色体より約20cMの間隔で160のマイクロサテライトマーカーを設定し, 家族性卵巣癌患者組織より抽出したDNAサンプルを用いてLoss of Heterozygosity(LOH)解析を実施したところ, 症例数の多い漿液性腺癌15例で高頻度のLOHが検出された領域は5p13-q31, 6q21-27, 8pter-p12, 8q24-qter, 9q32-34, 13q12-34, 17p13-q25の7染色体領域であった.上記7領域について散発性症例をコントロールとして家族性症例とLOH頻度を比較したところ, 5p13-q31, 8pter-p12, 8q24-qter, 13q12-34, 17p12-q24の5染色体領域では家族性症例にのみ, 高頻度のLOHが観察され, 家族性卵巣癌発症に関連する遺伝子領域の存在する可能性が明らかにされた.

収録刊行物

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ