V ベンドワイヤー装着時にブラケットに生じる力系の理論解析 : 直線ワイヤーによる力系との比較

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  • Theoretical analysis of force systems acting on brackets with a V bend wire : Comparison with force systems produced by a straight wire

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マルチブラケット装置において, しばしばワイヤーに組み込まれるVベンドは, その単純な形態にも関わらず, ひとたびブラケットに装着されると, 複雑な変形様相を呈し, 両端のブラケットに発生する力系を算出することはきわめて困難である.そこで本研究ではVベンドワイヤーにより発生する力系を解明する目的で, たわみ角法を用い, つり合いの方程式を解くことにより力系式の理論的な算出を行った.さらに, Vベンドワイヤーの力系式は, 活性化による頂点の水平移動量を考慮し, ワイヤーとブラケットスロットのなす角が等しい条件での直線ワイヤーの力系と比較した.その結果, 以下の結論が得られた.1. Vベンドによりブラケット等に生じるモーメントおよび力は, つり合い状態でのベンドの水平位置およびベンドの大きさの関数として表すことができる.2. Vベンドワイヤーの活性化に伴う頂点の水平位置変化は, Vベンドの大きさにはよらず, ブラケットからブラケット間距離1/5付近で最大となり, 活性化により頂点は中央方向に移動する.3. 活性化前の等しい条件でVベンドワイヤーと直線ワイヤーを比較した場合, ブラケットに発生する垂直力とモーメントは, Vベンドの位置と大きさによって変化する.しかしながら, その差はさほど大きくなく, 臨床的にはVベンドワイヤーと直線ワイヤーはほぼ等価な力系として取り扱うことができる.

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