ミノウスバの生活史について

書誌事項

タイトル別名
  • On the life history of Pryeria sinica Moore

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説明

ミノウスバの生活史を明らかにするために1959年から1961年にかけてこの研究を行ない, 次のような成績をえた.(1) ミノウスバ成虫の出現は年1回で, その時期は毎年11月上中旬頃にあたる.(2) 冬季は卵で越年し, 3月中旬頃孵化するが, 幼虫はそれより5月上旬頃まで見られる.(3) これらの幼虫は5月上旬から同中旬にわたつて営繭するが, 蛹は夏から秋にいたる非常な長期間をそのままの状態ですごす.(4) 本種の経過図や発育に関した事項はTables 1∿2, Figs. 1∿2に示した通りである.(5) また成虫の生存期間や雌成虫の産卵数などについては, Tables 3∿5に示した.(6) 本種の越冬卵が真の休眠卵であるかどうかについては, 若干の疑問がないではないが, 蛹は明らかに深い休眠状態をたもつている.(7) 本種の幼虫の発育は, 自然状態の場合よりも一層短日条件下において速やかである.しかも幼虫期に短日条件下で飼育したものは, その蛹の休眠性も自然状態のものより非常に浅かつた.(8) 本報文では本種の習性に関した論述も若干行なつた.

収録刊行物

  • 昆蟲

    昆蟲 30 (2), 101-109, 1962-06-25

    東京昆蟲學會

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