粘性土の静止土圧係数に関する一考察

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抄録

静止土圧係数の理論的考察を行ない, 載荷と除荷時に適用できるK_0の評価式を与え, 実験的考察を加えている。すなわち圧密平衡時にも, 動員される直応力, セン断応力に関してボシュレフ型の関係式が成り立つとし, K_0(載荷時の静止土圧係数), K_<0s>(除荷時のもの), n(過圧密化), λ(膨張指数と圧縮指数の比), κ_m(動員された粘着力係数でおよそ0~0._1の間にある)の間に関係づける式を導いている。この式でK_<0s>=K_0,n=1としての載荷時のK_0を求めるとセン断抵抗角Φ'のほかにκ_mを含む式が得られ, κ_mの値に応じ多くの実験値をカバーできるK_0~Φ'の関係がえられるとしている。なおκ_mが大きい程K_0は小さくなり, K_0に及ぼす有効粘着力の影響があると述べている。一方, 初めの式からK_<0s>はK_0,λ, n, κ_mの関数となるがλが塑性指数I_pに依存することからK_<0s>はn, I_pの関数であることを推論しアルパンの実験式(1967)を定性的に説明している。また砂質上にはヤーキー式、粘性土にはブルーカー式が実用上十分であることを確認したと述べている。

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