フィルダムにおける堤体の挙動とその解析(その2) : 佐仲ダムの貯水時における観測結果と間隙水圧の解析法について

この論文をさがす

説明

兵庫県佐仲ダムは, 堤高39.8mの中心コア型フィルダムであるが, その設計施工にあたり間隙水圧計をはじめとして各種の観測計器を堤体および基礎地盤に埋設し, 動態観測を実施したが, ここでは特に貯水時の堤体の挙動について報告する。ダム盛立て終了後の堤体内の間隙水圧分布はコア部分で大きくだ円形に近い形をしているが, その後, 貯水開始とともに上流側ランダムゾーンおよびコアゾーンを網羅する広い水圧分布に変化し, 次第に定常的な浸透流に変化していく傾向が見られる。貯水に伴いアバットメントと堤体のずれも生じ, 最大で12cmのずれが左岸側で観測された。一方, 間隙水圧消散率と時間係数の関係を求め, 実験値と理論値との比較を行った。この結果によれば, 理論値は必ずしも実測値を近似しておらず, 実測値から求めた見かけの排水距離と実際の排水距離にはかなりの差異があることが知られた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ