42.都市災害研究の新しい枠組み : 巨大災害研究センターの発足
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1.本小文の目的 平成8年度発足した京都大学防災研究所巨大災害研究センター(Research Center for Disaster Reduction Systems, DPRI, Kyoto University)の概要を紹介したものである,21世紀の都市の時代にあって,都市災害・巨大災害による被害軽減のために,総合減災システムの構築を目的としている.ここでは,研究経営の立場から,研究を推進するとともに,本センターの目指すところを紹介する. 2.改組の背景 わが国のような先進国では,都市社会構造の高度化によって,また発展途上国では,人口,経済,環境というトリレンマの下で,災害脆弱性が大きくなっている.そのため,巨大災害の発生が憂慮されている.巨大災害は,異常な自然外力のみならず,極めて人間的な要因によって発生・拡大する.したがって,自然科学と社会科学の研究を融合させた国内・国際共同研究を行い,総合減災システムを確立する必要がある. 3.研究組織 研究組織として,本センターの7名の専任教官,5名の国内・国外客員教官、3名の研究担当教官及び非常勤講師と所内及び全国の災害研究者によって研究ネットワークが構成され,とくに,阪神・淡路大震災の全過程について総合的に研究している.本研究センターでは月日防災科学資料センター,旧地域防災システム研究センターによって行われてきた国内外突発災害調査などの文献,資料の収集・保管を継続しており,また,全国5地区の資料センターと協力して,自然災害データベース「SAIGAI」を構築し,国立大学間ネットワークを通して供用している.さらに,全国の大学の災害研究者約1,700名から構成される自然災害総合研究班の活動を支援している.また,巨大災害研究会を年数回,公開で開催するとともに,日本自然災害学会や阪神・淡路大震災を契機に組織された『Memorial Conference in Kobe』及び地域防災計画実務者セミナーの事務局を担当している,さらに,米国,中国,インドネシアを対象に国際共同研究を推進している.研究領域は,つぎのようにまとめられる. 専任教官:1)巨大災害過程研究領域,2)災害情報システム研究領域,3)被害抑止システム研究領域 国内・外国人客員教官:1)災害史・災害変貌機構研究領域,2)自然災害研究・情報ネットワーク分野,3)国際災害情報ネットワーク領域
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- 地域安全学会論文報告集
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地域安全学会論文報告集 337-344,
地域安全学会
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- 1543105995101527424
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- NII Article ID
- 110007152478
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- NII Book ID
- AA11250264
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- NDL Digital Collections (NII-ELS)
- CiNii Articles