胎児ダウン症診断における妊娠中期超音波スクリーニングの診断的価値
書誌事項
- タイトル別名
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- Clinical Significance of Ultrasonographic Screening for Down Syndrome in the Second Trimester
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説明
目的 : 超音波検査法は日常の産科臨床において胎児発育評価に必要不可欠な検査法となっているが, その異常所見を手掛かりとして胎児ダウン症のスクリーニングが試みられている. 一般的にダウン症児の四肢長は著明に短縮していることが多いため, 胎児の大腿骨などの計測結果をもとにスクリーニング法としての診断的価値を検討した. 方法 : 今回当科で行ってきた羊水検査症例のなかで正常児と判明した734例とダウン症13例を対象として, BPD (biparietal diameter), FL (femur length), BPD/FL ratio, M/E FL ratio (measured/expected femur length ratio)を比較検討した. 結果 : 胎児ダウン症におけるBPDは13例中の2例が-1.5SD以下の異常域の値を示し, FLは13例中の3例が-1.5SD以下の異常域の値を示した. BPD/FL ratioは13例中の4例が+1.5SD以上の異常域の値を示し, その他の9例中8例は各週数における平均値以上を示し, 全体的に大腿骨の発育遅延傾向がみられた. M/E FL ratioは13例中4例が0.91以下の異常域の値を示した. BPD, FLおよびBPD/FL ratioによるスクリーニングの sensitivity (detection rate)は BPD/FL ratio と M/E FL ratioが最も優れ, FL, BPDの順に 30.8, 30.8, 23.1, 15.4%であった. false positive rate は BPD, BPD/FL ratio, FL, M/E FL ratioの順に, 2.7, 5.7, 6.0, 11.4%であった. 結論 : 本パラメーターによる超音波スクリーニング法単独では高精度の診断法とはいえず, 日常臨床に応用するにはさらに検討を要すると考えられた.
収録刊行物
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- 日本産科婦人科學會雜誌
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日本産科婦人科學會雜誌 47 (2), 115-120, 1995-02-01
日本産科婦人科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1543105995126081152
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- NII論文ID
- 110002111086
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- NII書誌ID
- AN00190060
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles