子宮体癌新・旧FIGO分類の比較

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  • Comparison between FIGO Old and New Staging Criteria of Endometrial Carcinoma

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FIGO による子宮体癌の新進行期分類が1988年に提示された. そこで, 当科で治療した子宮体癌171例に新分類を適用し, 新・旧分類による症例の移動を検討し, また新分類による累積生存率を旧分類によるそれと比較検討したので報告する. 1) 旧分類ではI期67例, II期86例, III期8例, IV期10例であったが, 新分類では, それぞれ94例, 25例, 35例, 10例となった. このほかに術前に放射線療法などを施行したため, また手術を施行しなかったため, 新分類での進行期の判定が不可能であった症例が7例あつた. 2) 従来のI期67例の新分類は, I期が54例 (80.5%), II期が2例 (3.0%), III期が8例 (12.0%), 決定不能例が3例 (4.5%) であった. 従来のII期86例は, それぞれ39例 (45.2%), 21例 (24.5%), 25例 (29.1%), 1例 (1.2%), III期例では1例 (12.5%), 2例 (25.0%), 2例 (25.0%), 3例 (37.5%) であった. 3) 新I・II期の累積生存率はともに良好で, 両者の間にはほとんど差を認めなかった. 新III期の生存率は旧III期に比べて不良で, 5年生存率は50%以下であった. 4) 癌が体部に限局している新I期では, 筋層侵潤が深くなるにつれて生存率は低下し, とくに, 筋層浸潤1/2以上のG3例では不良であった. 5) 新II・III期の亜分類による比較では, いずれも差を認めなかった.

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