尿中hCGβ-core fragmentの子宮頚癌における腫瘍マーカーとしての臨床的有用性

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  • Assessment of Utinary β-core Fragment of hCG as a Tumor Marker of Cervical Cancer

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ヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) の関連分子種である尿中 β-core fragment (β-CF)の子宮頚癌における腫瘍マーカーとしての有用性を検討した. 健常婦人における検討から, 尿中β-CFの cut off値を0.2ng/mlに設定し, 子宮頚癌患者における陽性率を調べた. その結果, 検討した128症例中, 57例 (45%)が陽性となり, 臨床期別にみると0期0% (0/9), I期32% (23/73), II期78% (21/27), III期60% (6/10), IV期100% (2/2), 再発例71% (5/7)であつた. これらの結果は, 同時に測定した血清中のSCC, CEA, CA19-9, CA125の陽性率と比べ, 同等あるいほそれらより高率となつた. しかし, 臨床進行期とβ-CFの上昇レベルとの間には有意の相関が認められなかつた. また, 組織型別の検討では, 扁平上皮癌と腺癌との間で β-CF陽性率に差はみられなかつた. 治療前に β-CFが高値であつた症例の多くは, 治療後低下傾向を示したが, なかには一過性に上昇した後に正常域に移行する症例も認められた. また治療後 β-CFの再上昇が認められた後に再発が確認された症例が2例みられた. 抗hCGβ抗体による免疫組織化学的検索では, 術前に β-CFが高値であつた一部の症例において病巣内に hCGβの局在が確認された. 以上の成績より, 尿中 β-CFが子宮頚癌の補助診断や治療後の follow-upにおいて新しい腫瘍マーカーとなり得る可能性が示唆された.

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