株式会社の配当規制に関する一考察 : わが国の配当規制・連結配当規制の特徴を中心として

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  • A Research of the Dividends Restrictions : Focused on the Features of Dividends Restrictions and Consolidated Dividends Restrictions in Japan

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配当規制の特徴は,資本制度を基礎とすることにある。しかし,近年,資本維持の考え方が後退し,配当概念が広く解されるようになった。連結配当について,旧商法ではこの規定がなかったが,初めて会社法で導入された。連結配当規制の特徴は,連結計算書類上の剰余金が個別計算書類上の剰余金を下回る場合にのみ,その範囲内(つまり,連結剰余金が個別剰余金を下回る場合,その差額を個別の剰余金から控除する。)で配当が許され,あくまで親会社の個別計算書類での規制となっていることにある。その差額を控除する意味は,分配可能額の算定上,含み損を控除することであり,債権者保護という会社法の見地に沿うものである。また,連結配当規制の適用事例をレビューした結果,その規制の効果(親会社の配当に連結業績内容が反映され,配当が実施されること)が生じていないことが分かった。

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