臍帯動脈および胎児中大脳動脈血流速度波形と臍帯血ガス値の相関に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between Flow Velocity Waveforms of Umbilical and Fetal Middle Cerebral Arteries and Cord Blood Gas Values

この論文をさがす

説明

妊娠36週以降40週未満に帝王切開術を施行した52例, 55胎児を対象症例として, 術前の超音波パルスドプラ法による臍帯動脈(Umbilical Artery : UA)および中大脳動脈(Middle Cerebral Artery : MCA)血流速度波形のResistance Index (RI)と帝王切開時の臍帯動・静脈血ガス値との相関の有無の検討を行い, 以下の結果を得た. 1. 臍帯動脈血流速度波形のResistance Index (UA-RI)は臍帯動・静脈血のpH, P_<O_2>と負の, P_<CO_2>と正の相関を示した. 2. 中大脳動脈血流速度波形のResistance Index (MCA-RI)は臍帯動・静脈血のpH, P_<O_2>と正の, P_<CO_2>と負の相関を示した. 3. UA-RI/MCA-RI比は臍帯動・静脈血のpH, P_<O_2>と負の, P_<CO_2>と正の相関を示した. 4. 臍帯動・静脈とも, その血ガス値の各パラメーター(pH, P_<O_2>, P_<CO_2>)との間に最も強い相関を示したindexはUA-RI/MCA-RI比であった. またUA-RI, MCA-RI, UA-RI/MCA-RIの各indexとも臍帯静脈に比べ臍帯動脈の血ガス値とより強い相関を示した. 以上の成績より妊娠36週以降, 胎児血流速度波形のRIは特に臍帯動脈血ガス値と高い相関を有し, 胎児のwell beingを評価するうえで極めて有用な検査法となりうることが明らかとなった. そのなかでも胎児血流分配の程度を示すと考えられるUA-RI/MCA-RI比は胎児血液ガス所見を鋭敏に反映する優れた指標であると考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ