シラスの侵食とパイピング現象の問題点
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説明
シラス層の侵食に関する研究成果から考えられる問題点をできるだけ実際面に即して整理しさらにパイピング現象について最近得た基礎的知見と具体例から, 今後の研究指針と問題点に対するアプローチについて論じている。まず, シラスの侵食形態を分類し, 雨水による斜面侵食についてベーバの提案した種々の要因(気象要因, 地勢・地形要因, 植生要因, 土質要因, 人為的要因)からシラスの侵食機構について検討を加えている。その結果, シラスの受侵性は分散率が高く, シラスの土粒子が輸送されやすいという土性が支配的要因であることを指摘しており, シラス斜面の侵食災害事例と現地実験の試料土(物理的指数)の性質からシラスの種々の土質要因と侵食量との間に関係式を与えている。一方, シラス地盤のパイピング現象については実際のパイピング災害事例を列挙し, パイピングが発生する種々の原因を述べている。さらに, 乱さないシラスと締固めたシラスのパイピング現象に関して, 限界動水コウ配についての室内実験の結果を報告しており, 今後, 界面化学的研究の必要性を強調している。
収録刊行物
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- 土質工学会論文報告集
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土質工学会論文報告集 17 (1), ix-, 1977-03-15
土質工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1543950420025074688
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- NII論文ID
- 110003913989
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- NII書誌ID
- AN00173174
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles