13. 妊娠初期胎盤基底板のhPL陽性細胞について
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説明
胎盤ホルモンであるhCGおよびhPLは絨毛のsyncytiotrophoblastで産生されることが免疫組織化学的方法によって明らかにされている。我々は同様の方法を用して妊娠初期の胎盤を検索した結果, 絨毛以外に基底板にもhPL陽性細胞が存在することを見出したので報告する。方法 : 手術的に摘出された妊娠8~12週の10例のヒト胎盤組織を直ちにZamboni液または10%リン酸緩衝ホルマリン液で固定し, パラフィン切片とし, 抗hPLおよび抗hCGβsubunit血清を用いた螢光抗体法ならびに酵素抗体法間接法を施行した。染色対照として一次血清に非免疫血清, 特異および非特異抗原吸収抗血清を用いて反応を行った。抗原局在部位の同定には重染色法および連続切片染色法を併用した。結果 : hPL陽性細胞はsyncytiotrophoblast以外に基底板に広く散在して認められ, 一部子宮筋層間にも存在する。基底板にあるhPL陽性細胞はHE染色標本で卵円形, 多角形ないしは紡錘形など多様の形態を示し, 核は大小不同であるが単核で濃染, 細胞質はやゝ好塩基性を呈する。これらの細胞はβ-hCGの染色性がhPLに比較して一般に弱く, 全く陰性のものも少なからず認められた。本細胞の由来, 機能的意義について考察を加えたい。
収録刊行物
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- 日本組織細胞化学会総会プログラムおよび抄録集
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日本組織細胞化学会総会プログラムおよび抄録集 74-, 1977-10-20
日本組織細胞化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1543950420084037120
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- NII論文ID
- 110003156606
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- NII書誌ID
- AN10079274
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles