水耕液滲透圧に対する飼料作物の生育反応 : 第 2 報 水耕液滲透圧と生育との関係

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抄録

作物の生育にとって、有効水分領域の土壌水分は、その有効性において、一様であるとする均一有効説、土壌水分張力に逆比例的であるとする説、また、有効水分領域内のある範囲ではほぼ均一に有効であるが、その範囲外の水分とは有効性が異なるとする説があり、必ずしも明確にされていないが、最近では、最後の説がやや支配的のように見受けられる。しかし、この説でも、ある水分領域を越えると、作物自体の吸水力と土壌の水分保持力との不均衡によって吸水が妨げられるとするもの、あるいは、土壌中での水の毛管移動が切断されるためとするものがあり、不明の点が少なくない。これらは土壌などの作物培地の水の分布を均一にすることが不可能に近く、また、均一になったとしても、水の多少によって空気含量が異なるなど、水以外の影響が関与し易いためであろうと考えられる。そこで、水の補給を十分ならしめ、水分応力、空気含量を均一化したうえで、作物の水に対する反応を明らかにしようとして水耕法による本実験に着手し、滲透圧と蒸散力の関係について第1報として報告したが、本報では、滲透圧と生育量との関係について報告する。

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