ラット頚動脈のノルエピネフリンとセロトニンに対する反応性への妊娠の影響

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  • Influence of Pregnancy on the Vascular Response to Norepinephrine and Serotonine in Rat Carotid Artery

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脳動脈の血管作動性物質への反応性に対する妊娠の影響を検討する目的で, ラット頚動脈を用いて実験した。対象は妊娠ラットと非妊娠ラットそれぞれ18匹で, 頚動脈のリング状標本を作製し, norepinephrineとserotonineへの等尺性張力を測定した。妊娠ラットでは, 非妊娠ラットに比べて有意に (p<0.02) norepinephrineに対して反応性が低下していた。この妊娠ラット頚動脈の反応性の低下は, indomethacine (5×10^<-7>mol/L) の存在下でも認められた (p<0.01)。また, 内膜剥離下でも同様に妊娠ラットで低下していた (p<0.01)。しかし, 上記の三つの条件下で最大収縮力は妊娠ラットと非妊娠ラットで有意差はなかった。Serotonineへの反応性は妊娠, 非妊娠で差はなかった。さらに, endothelium-derived relaxing factorの活性を検討するために, norepinephrine (10^<-7>mol/L) の前収縮に対するacetylcholineの弛緩反応性を測定したが, 妊娠ラットと非妊娠ラットでは差がなかった。以上まとめると, 妊娠ラットの頚動脈はnorepinephrineに対する反応性が低下しているが, これはprostaglandineやendothelium-derived relaxing factorの関与は否定的であり, 内皮非依存性であることが判明した。

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