NTPによる時刻の供給

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  • UTC Time Distribution via Network Time Protocol

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抄録

コンピュータネットワーク(Internet)とUNIXワークステーションの普及は、計算機の利用形態を大きく変化させた。従来は大型計算機などの1台の計算機で総ての処理を行っていたが、ワークステーションの性能向上と、ネットワーク接続により計算機間の通信が容易に行えるようになったことからクライアント・サーバー型の分散処理へと変化した。接続範囲も、組織内の閉じられたLANから、広範囲にわたるWANへと変化している。ネットワーク上の計算機が、相互に通信を行いながら処理を行う場合、各計算機の時刻同期が必要となってくる。組織内で閉じられたLANであれば、計算機間の時刻同期はLAN内で独自に行えるが、WANなどの広範囲での同期となると、同期方法や、同期する時刻をきちんと決めておく必要がある。ネットワーク上の計算機の時刻同期を行う方法の一つとしてNetwork Time Protocol(NTP)がある。これは、通信に要する遅延時間を計算するため距離による影響が少ない、クライアント・サーバー型の階層構造で構成され、最上位のサーバーは、標準電波やGPS受信機などにより協定世界時(UTC)へ同期が可能となる、時刻の修正をadjtimeシステムコールにより行うためオフセットが起こらないなどの利点があり、計算機の時刻同期方法としてInternetでは一般的に利用されている。通信総研は日本標準時を維持しており、UTCに同期した信号を直接利用できることから、所内のワークステーションを対象としたNTPサーバーを構築し、試験的に運用を行ってきた。一方株式会社インターネットイニシアティプ(IIJ)では、国内Internetの商用サービスを展開している。IIJの加入者からはサービスの一つとして、NTPによる計算機の高精度な時刻供給の要望があがっている。そこで、通信総研とIIJでは共同研究を結び、高精度に時刻同期が行えるNTPサーバーを開発中であり、Internetで接続された計算機にUTCに同期した時刻の供給を計画している。今回の報告では、現在開発中のNTPサーバーシステムの構成と、その特徴について報告する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570009752485423744
  • NII論文ID
    110003267365
  • NII書誌ID
    AN10471452
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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