金管楽器奏者の唇のモデル化について
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- 吉川茂
- ATR人間情報通信研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- On the modeling of brass player′s lips
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説明
金管楽器の自励発振において奏者の唇が外側発振するものか、あるいは声帯類似発振するものかを実験的に検討している。マウスピース内音圧と唇の歪みを測定し、両者の位相差をラウンドスピーカー振動膜の近距離場での音圧特性に従って校正した後、マウスピース内音圧と唇の変位との位相差に変換する。この位相差の正負は声帯類似発振あるいは外側発振に対応する。マウスピースを付けた音響系(金管、共鳴管、非共鳴管)とマウスピースを付けないパイプに関する実験結果より、唇のモデル化についての結論を得た。金管楽器(フレンチホルンとトランペット)では唇開口の非線形音響インピーダンスが音圧波形とともに発音体制を決定しいてる。低次モードではそれが無視できるため、奏者の口腔とマウスピース間でのキャビティ・カップリングが起こり、入力インピーダンスがキャパシティブになり、唇は外側発振しやすい。一方、高次モードではカップリングは分離され、入力インピーダンスはイナーティブになり、唇は声帯類似発振しやすい。
収録刊行物
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- 信学技報
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信学技報 EA94-26, 1994
一般社団法人電子情報通信学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1570009752500029184
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- NII論文ID
- 110003284470
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- NII書誌ID
- AN10164817
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles