医療情報標準化規格「HL7」と「静岡県版電子カルテシステム」に準拠した診療情報提供書発行システムの開発

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タイトル別名
  • Standard Medical Protocol HL7 and Development of Patient Referral Document Order System Based on the SHIZUOKA Electronic Medical Record

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抄録

これまでに全国各地で情報技術を活用した医療施設間の情報交換や地域医療連携などの試みが行われてきた.しかし,限られた医療施設間や地域間での連携事例が多く見受けられる.一方,平成18 年1 月に完成した「静岡県版電子カルテシステム」は,データ形式に国際標準規格の医療情報標準化規格「HL7」を採用し,全国で初めて自治体主導による標準化を実現した.さらに厚労省も「HL7」を国内における医療用の定型文書への採用を推奨しており,今後HL7 が医療情報の標準規格になる可能性もある.本研究では,地域連携には標準化が必要不可欠であり,早急に実現すべき課題であると認識し「HL7」の標準化規格の有効性と「静岡県版電子カルテシステム」が今後の医療情報の社会基盤を担うものとその将来性に着目した.そして静岡県版電子カルテシステムの連携機能のひとつである診療情報提供書CD を活用とした地域医療連携に注目し,診療所が患者紹介を行う際に静岡県版電子カルテシステムに準拠した診療情報提供書CD を発行するアプリケーションの開発を行った.この診療情報提供書は,XML 形式で記述されており,Web ブラウザ上であれば簡単に閲覧可能である.さらに特別な環境に依存せず異なるシステム間のデータの交換が可能である.したがって大規模な環境の整備も必要なく経済性も考慮している.このような電子化によって紹介先医療機関へ提供する患者の情報量が増える事により,重複検査等が回避され患者の負担の軽減が見込まれる.さらに医療機関相互の情報のスムーズな伝達と共有により診療支援などの効果が期待できる.今後は,この診療情報提供書CD を中心とした新しい形態の地域医療連携を進めていく予定である.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570009752619946752
  • NII論文ID
    110007544625
  • NII書誌ID
    AN10381815
  • ISSN
    09177612
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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