実時間実空間密度汎関数理論による電子動力学シミュレーションのXeon Phiクラスタ向け最適化

  • 廣川 祐太
    筑波大学大学院システム情報工学研究科
  • 朴 泰祐
    筑波大学大学院システム情報工学研究科|筑波大学計算科学研究センター
  • 佐藤 駿丞
    筑波大学大学院数理物質科学研究科
  • 矢花 一浩
    筑波大学大学院数理物質科学研究科|筑波大学計算科学研究センター

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説明

近年,Intel Xeon Phi プロセッサを搭載した PC クラスタが注目されているが,同プロセッサを多数用いた並列実応用問題の事例はあまり多くない.本研究では,RTRSDFT (実時間実空間密度汎関数理論) に基づく電子動力学シミュレータ ARTED (Ab-initio Real-Time Electron Dynamics simulator) を Xeon Phi クラスタへポーティングし,最適化と性能評価を行った.まず,ステンシル計算カーネルに対しベクトル化や最適化オプションの付与,OpenMP の実行環境などの最適化を行い,Intel E5-2670v2 (Ivy-Bridge,10 コア) と同等の性能を得られた.時間発展部全体では,CPU と Xeon Phi 間で協調計算を行う Symmetric 実行により,CPU のみを利用する場合に比べて 32 ノード時に約 1.68 倍の性能が得られた.プロセス数で比較すると,Symmetric 実行は CPU のみの実行に対して約 90% の相対性能が得られている.この結果は,従来 CPU のみの実行で 32 ノード必要であった計算が,多少の性能低下はあるものの Symmetric 実行によって 16 ノードで済むようになると考えることができ,計算機の全リソースを有効活用できるかという視点で重要な評価である.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570009752962914304
  • NII論文ID
    110009877728
  • NII書誌ID
    AN10463942
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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