茨城県で記録された樹木の糸状菌病と病原菌
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説明
我が国で最初の樹木病害ないしは病原菌の記録は,英国の太平洋探検船チャレンジャー号の採集標本の病菌類を調べたBerkeleyによる,タケ・ササ類赤衣病菌(Puccinia corticioides Berk. and Broome,神戸)とアスナロてんぐ巣病菌(Uromyces deformans Berk. and Br.,箱根)である。茨城県ではHennings,松村によるヒサカキ褐紋病(Aulographum euryae Sydow and P. Sydow→Lophiosphaerella euryae (Syd. and P. Syd.) Hara)およびアンズ・モモ縮葉病(Exoascus deformans (Berk.) Fuckel→Taphrina deformans (Berk.) Tulasne),ネジキもち病(Exobasidium pieridis Hennings),松村,Salmonによるナラ類紫かび病(Sphaerotheca lanestris Harkness→Cystotheca lanestris (Harkn.) Miyabe ex Ideta),松村によるサツキてんぐ巣病(Exobasidium pentasporium Shirai)が最も古い発生記録と思われる。以降今日までの百余年間に63科151属305種の木本植物に635種類の糸状菌病が記録され,これらの病気を引き起こす病原糸状菌として138属323種が記録された。なおこのほかに,病原菌としてではなく木本植物に内生・着生あるいは腐生するものとして,105属139種の糸状菌が記録されている。以下に発生病害の種類,病原菌の分類群,宿主の種類,発生病害の分布特性,および過去に話題になった病害や今後注意を要する病害について紹介する。
収録刊行物
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- 茨城県病害虫研究会報
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茨城県病害虫研究会報 (48), 37-42, 2009-03
茨城県病害虫研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1570009753325340416
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- NII論文ID
- 220000161765
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- NII書誌ID
- AN00224344
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- ISSN
- 03862739
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles