近畿大学医学部奈良病院メンタルヘルス科外来の現状と課題 : 附属病院との比較を通じて

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近畿大学医学部奈良病院メンタルヘルス科は外来1診療室,常勤医1名のみの診療科である.今回われわれは1999年10月1日の開院から2003年12月31日に当科を初診した患者2362人について調査し,同時期に近畿大学医学部附属病院メンタルヘルス科を初診した患者4625人と比較検討した.受診経路別に,他施設より紹介なく受診したものを直接受診,他施設より紹介のあったものを院外紹介,院内他科外来より紹介のあったもの院内外来,院内他科入院中に紹介のあったものを院内入院と分類した.奈良病院の初診者数は,2001以降は年平均517.7人であった.直接受診群は年平均337.0人,院外紹介群は年平均77.3人,院内外来群は年平均67.3人,院内入院群は年平均36.0人であった.附属病院と比較して,直接受診群は女性が多くICD-10による診断分類ではF3,F4が多いことが当科の特徴であった.院外紹介群の比率は附属病院と比較して少なかった.院内外来群は附属病院と比較して性差や診断割合に差はみられず,ほぼ同様のコンサルテーション・リエゾン活動を行っていた.院内入院群は附属病院よりも高齢者の精神疾患に対応しており,当科の特徴であった.今後の課題として,複数の常勤スタッフを配置することや病床を所有することおよび救命救急科へのメンタルヘルス科常勤医を配置するといった専門性の向上が望まれる.

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