併存する自動詞一形態と意味の関わり
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- 富田 久仁子
- 岐阜大学留学生センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Coexistent Intransitive Verbs : the Relationship between Forms and Meanings
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説明
現代日本語の自動詞の中には,「絡む・絡まる」や「漏る・漏れる」のように,意味と語形に共通部分を有する組み合わせが存在する。本稿においては,この「併存する自動詞」に検討を加え,組み合わせにおける形態と意味の関わりを明らかにする事を試みた。形態毎の意味特徴を明らかにするため,併存する自動詞の組み合わせを形態に基づき6種に分類し,その中で最も組み合わせ数の多い「-u形と-aru形の組み合わせ」について分析を行った。これは,前出の「絡む・絡まる」のような形態をもつものである。分析は,他動詞との対応の有無・使役形の可否・主語が自動詞の表す事態の生起にどう関わっているか,事態を意図的に生起させうるかどうかという点に依拠して行った。分析の結果,併存する自動詞の-u形と-aru形に共通する特徴は,主語が意図的に生起させうる事態を表すものが少ないことである。また,併存の組は分析に拠った項目について可否を分け合い,-u形は主語が事態の生起において重要な役割を果たし,-aru形は主語ではない存在が事態の生起に関わるという顕著な傾向が見られた。これは,それぞれの自動詞が表す事態とその形態との間に関連があることを示している。
収録刊行物
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- 岐阜大学留学生センター紀要
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岐阜大学留学生センター紀要 2001 61-72, 2002-03
岐阜大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1570291227033880960
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- NII論文ID
- 110004672002
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- NII書誌ID
- AA11584135
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles