軽度意識障害の表情による評価法の検討

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脳血管障害者の回復期には、軽度意識障害が遷延する患者が多く存在する印象を受ける。意識障害評価はJapan coma scale(JCS)などが広く用いられ、急性期の重度から中等度の意識障害をとらえるのに有効である。しかし、回復期で顕在化するような、軽度の意識障害評価には、覚醒レベル以外をとらえる評価法が必要である。回復期では、早期からの身体機能へのアプローチを要求され、時間を要する神経心理学検査よりは、第一印象や観察から「より速く、より正確」に意識状態を把握するスキルが要求される。 そこで本研究では、作業療法士11名を対象に、日常の臨床でセラピストが第一印象で意識障害を判断する視点について、自記式質問紙調査を実施した。 その結果、表情、反応、印象の項目が抽出され、表情では、目の項目が多く、反応では動作や話し方の特徴が抽出された。セラピストが軽度意識障害の遷延する患者を評価する際には、表情に関する項目では視線や印象から判断する傾向があることが示唆された。また、話し方や動作の項目からは他者および自己への気づきの不十分さに相当する項目が抽出された。今後は抽出された項目を基に静止画および動画での検討が必要と考える。

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