尿路結石症におけるクエン酸代謝の研究. 1. クエン酸リアーゼを用いた尿中クエン酸の測定

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  • STUDIES ON CITRATE METABOLISM IN UROLITHIASIS : 1. An Enzymatic Determination of Urinary Citrate with Citrate Lyase

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クエン酸リアーゼ(以下CL)を用いた尿中クエン酸測定法につき検討した.本反応の原理は,クエン酸がCLによりオキザロ酢酸に変換され,さらにオキザロ酢酸がリンゴ酸脱水素酵素とNADHの存在下にリンゴ酸に変換されるときに消費されるNADHの量を340nmで比色測定するというものである.本測定法に影響を与えると思われる諸因子につき検討したところ,Tris HCl bufferのpHは7.2付近が最適と思われ,亜鉛イオンの添加は反応を促進することが確認されたが,pHや亜鉛イオンの影響はCLの量が増加してゆくにつれて生じにくくなった.またTris HCl bufferの濃度は0.1M付近で良好な反応が得られ,高濃度のbufferは反応を阻害するようであった.本法におけるクエン酸の添加回収率は98.5〜103%,triplicate assayでの変動係数は平均3.1%と信頼に足り得るものであった.本法によって測定した健常人の24時間尿中クエン酸排泄量は男子397±159mg/day(n=66),及び女子474±209mg/day(n=23)であった.本測定法は前述した正確さに加え操作がきわめて簡便であり,日常検査として活用できるすぐれた方法であると思われた.

収録刊行物

  • 日泌尿会誌

    日泌尿会誌 76 1848-1854, 1985

    社団法人日本泌尿器科学会

被引用文献 (1)*注記

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