フレーム間の連続性を保持する動画編集法
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説明
本研究では,動画におけるフレーム間の連続性を保持しながら,動画の色調やテクスチャなどを編集するための手法を提案する.多くの動画像処理においてオプティカル・フローなどといった位置の対応関係を用いて,あるフレームの情報を異なるフレームへと移送する手法が用いられている.その一方でこのような位置の対応関係を密に計算するためには多くの計算量を要するほか,遮蔽などの影響を受けやすく誤った対応関係がついてしまうことがしばしばある.そこで本研究では,位置の対応関係を用いず,フレーム間の対応関係を一つの正方行列により記述する.これは,あるフレームの各ピクセルが持つ性質は,前のフレームのピクセルが持つ性質の線形結合により表現できるという仮定に基づいている.つまりこの線形結合の係数により構成される正方行列によってフレーム間の対応関係を記述する.本稿ではこの行列を 「継承行列 (inheritance matrix)」 と呼ぶ.本研究では動画の特定のフレームに対して施した編集結果それ自体を移送するのではなく,ピクセルごとに割り当てられる編集パラメータを編集マップの形で移送する.継承行列により編集マップを移送することで動画全体にユーザの意図に沿った編集をより少ないユーザ入力で実現する.本稿では,継承行列による連続性を保持した動画編集の結果に加え,継承行列の様々な動画処理手法への応用例も示す.
収録刊行物
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- 研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
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研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) 2012 (16), 1-9, 2012-11-26
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1570291227913437440
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- NII論文ID
- 110009487452
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- NII書誌ID
- AA11131797
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles