日本語学習者の副詞「ちょっと」の習得について-中国人日本語学習者に対する指導方法をめぐって-

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日本語の副詞「ちょっと」は、日本語母語話者によって、さまざまな場面 で使用されている。そして、円滑にコミュニケーションを進めるための役割 を担っている。しかし、その多様な用法は、かえって日本語学習者の頭を悩 ませる原因にもなっている。実際に、日本語学習歴が長い上級者でさえも、 そうした特徴を理解していないことが多い。 本研究では、中国人日本語学習者を対象に、日本語と中国語の対照分析か ら、どのような用法のとき、どのような特徴を説明すれば分かりやすいのか を考察した。分析を通して、「ちょっと」の用法には、中国語の"一下" "一点" "有点" "不太" "喂" "不要"などが当てはめられることがわか った。いずれも、中国語では、「ちょっと」の持つニュアンスを和らげる特 徴や、程度大を暗示的に伝える特徴をうまく表すことができない。こうした 特徴こそが、中国人日本語学習者の頭を悩ませる原因になっている。特に、 中国語の"有点"は、日本語の「ちょっと」との微妙なニュアンス差から、 上級者をも悩ます原因となっている。以上の注意点を提示していくことで、 中国人日本語学習者の副詞「ちょっと」の習得にもつながるだろう。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1570291227978916992
  • NII Article ID
    110009103285
  • NII Book ID
    AA12532454
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • CiNii Articles

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