みその乳酸菌の研究(6)

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説明

みそ用の種麹に凍結乾燥した耐塩性酵母とPed. soyaeおよびStr. faecalisを添加してみそ醸造中の菌の消長を追究し,その乳酸菌の添加の効果を検討した。1. 種麹に凍結乾燥した乳酸菌を検鏡下で1g中10 7添加したが生菌数は1g中10 5~10 6しか存在せず,添加しなかった種麹でも1g中10 3~10 4存在し,製麹中に増加して,出麹の際には添加した麹と添加しない麹では菌数にほとんど差がなかった。2. 熟成中にはPed. soyaeおよびPed. acidilacticiが増殖をしめしPed. soyaeは仕込後13日以後には減少し,製品となると1g中10 2以下となる。Str. facealisは仕込直後は急激に減少しその後は熟成とともに減少をたどる。しかし添加したみそと添加しなかったみそとの間にはいちじるしい差はみられない。3. 酸度I,酸度II,および乳酸量はPed. soyaeを添加したものが切返しをするまでは多いが,その後は添加しない対照のみそが急激に増加していた。4. 製品となったみそは官能試験の結果香味はPed. soyaeを添加したみそがもっとも優れていたが色の点では劣り,Str. faecalisを添加したみそは色が優れていた。とくに1晩空気中に放置したみそはStr. faecalisを添加しないみそがいちじるしく表面酸化されやすい。香味と色の点でPed. soyaeとStr. faecalisを添加することがよいことが判った。5. 添加した乳酸菌の性質と同じStr. faecalisとKF培地で24時間で検出して性質のことなるStr. faecalisと添加したPed. soyaeとことなり,Ped. acidilacticiに属する菌とPed. halophilusに属する菌を分離した。

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