体重減少からみた神経性無食欲症の特徴

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タイトル別名
  • How is Body Weight Loss Related to Clinical Characteristics and Treatment Outcome in Patients with Anorexia Nervosa?

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説明

神経性無食欲症における体重減少の程度は,生命予後に影響を与える要因として重要である。本研究では,神経性無食欲症患者148例を対象として体重減少に焦点をあて,背景要因,臨床症状,転帰との関連などを検討した。(1)体重高度減少群では神経性無食欲症制限型の占める割合が多く,一方,過去の自殺企図歴や自己誘発性嘔吐は有意に少なかった。(2)手紙の郵送と電話面接により35症例の転帰を調査しえた。転帰調査時なお体重減少が持続していたが,全般的な転帰は先行研究に比べて良好な傾向があった。(3)体重高度減少群と軽度減少群の間で転帰に著しい差は認めなかったが,初診時からの体重増加の程度をみると高度減少群の方が良好であることが示唆された。(4)体重軽度減少群は体重減少という点からみれば軽症であるが,自己誘発性嘔吐,自殺企図などの問題行動が多く,体重増加の程度は不良である。このような結果は軽度減少群を今後あらたな臨床単位としてとりあげうる必要を示唆している。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 32 (1), 9-19, 2002-02-28

    北里大学

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