CRPの微量定量に関する基礎的および臨床的研究, 第2報, 悪性腫瘍におけるCRP低濃度域の変動とその臨床的意義

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  • Quantitation of Serum C-reactive Protein and Its Change in Pathologic Conditions : (II) Extremely Low Levels in Malignant Neoplasms

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CRP(C-reactive protein)は炎症および腫瘍マーカーとして血漿蛋白成分の中で臨床的に最も利用されているが,成人におけるその微量定量法の臨床的意義については,なお十分に明らかにされていない。そこで,non-radioisotopic immunoassayの一種である高感度測定装置を用い,我々が設定した成人年齢別の正常値に基づいて,悪性腫瘍における血中CRP低濃度域の変動について調べ,また他の急性相反応蛋白およびIL-6と比較検討した。成人においてCRP低濃度域ならびに異常低値を示す悪性腫瘍としては,ホルモン産生腫瘍,乳癌・卵巣癌の一部などの女性の腫瘍があげられる。また,治療によりCRP値は低下するが,ステロイドを含む治療,ならびにホルモン剤投与症例では著明な低下が認められた。さらに,悪性腫瘍患者において化学療法により有効例では無効例に比べCRP値は低濃度域への低下傾向がみられるので,化学療法の腫瘍に対する効果を評価するうえに有用であると考えられた。CRPは他の急性相反応蛋白およびIL-6の変動と比較し,ステロイドを含む治療後CRPは顕著に低下することが認められ,また治療が長期にわたるとHaptoglobinも著明に低値となることが認められた。

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