共有メモリvs. メッセージパッシング

  • 松本 尚
    東京大学 大学院理学系研究科 情報科学専攻
  • 平木 敬
    東京大学 大学院理学系研究科 情報科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Shared Memory vs. Message Passing

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説明

「分散共有メモリ」(以下単に「共有メモリ」) と「メッセージパッシング」を比較する。ユーザ/コンパイラに対してプログラマがどういう通信同期モデルを持つ言語を選ぶかは趣味の問題であり、どのモデルが優れているというような判断は難しい。しかし、システム(ハードウェア+オペレーティングシステム)として、どういう通信同期メカニズムを提供すべきかについては、実行時オーバヘッドや自由度や最適化との相性や実現コスト等の要素から議論できる。本稿では「メッセージパッシング」をいわゆる send, receiveをオペレーティングシステムレベルで提供することと定義する。これに対して、遠隔メモリアクセスをユーザ/コンパイラにプロセッサレベルのメモリ操作(細粒度メモリ操作)として見せるか、遠隔メモリ操作要求(可変粒度高機能メモリ操作)として見せるかによって、「共有メモリ」を「狭義共有メモリ」と「広義共有メモリ」に分類する。そして、「広義共有メモリ」は最適化の観点から「狭義共有メモリ」よりも優っていることを示す。次に、「広義共有メモリ」の方がシステムが提供する通信同期機構として「メッセージパッシング」より優っていることを示す。

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参考文献 (17)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570572702110195200
  • NII論文ID
    110002775158
  • NII書誌ID
    AN10096105
  • ISSN
    09196072
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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