音響ビームフォーミングと多次元信号処理

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タイトル別名
  • Audio Beamforming and Multidimensional Signal Processing

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説明

収音用マイクロホンアレイを中心とした音響ビームフォーミングについて、多次元信号処理の観点から解説する。音響ビームフォーミングは、複数のマイクロホンを空間的に異なる位置に配置し、それらの出力信号に信号処理を施すことにより、周波数領域におけるフィルタと空間領域におけるフィルタ (すなわち指向性) を制御する技術である。その信号処理は、時間的なフィルタと空間的なフィルタをまとめた時空間フィルタとして考慮しなければならない。指向特性は原理的に音響信号の波長とアレイのサイズで決まるが、音響ビームフォーミングでは、成分周波数の比が10倍を超える広帯域信号を扱うため、所望の特性を得ることがさらに困難になる。固定ビームフォーマでは、状況に応じた信号処理空間の変換法と設計法が提案されている。適応ビームフォーマも、多次元信号処理空間における変形、拘束、自由度制限などの工夫により、技術的には実用化できるレベルに達しつつある。さらに、聴覚特性、音声の性質、伝搬モデルの利用など、音響信号に特化した技術も開発されてきている。今後は、演算量低減、新しい高速適応アルゴリズムなどが重要となる。

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参考文献 (48)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570572702400157184
  • NII論文ID
    110003198055
  • NII書誌ID
    AN10013094
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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