食道運動異常症の内視鏡診断

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タイトル別名
  • ENDOSCOPIC DIAGNOSIS OF ESOPHAGEAL MOTILITY DISORDERS

抄録

<p>本邦では内視鏡検査は広く行われ,器質的疾患の診断に大きく貢献している.一方,機能性疾患に関しては,内視鏡検査の役割は器質的疾患の除外にとどまっているのが現状である.近年,食道運動異常症の代表的疾患であるアカラシアに関しては,新たな内視鏡所見("Esophageal Rosette","Gingko-Leaf sign","Champagne Glass sign","Pinstripe Pattern")が報告され,内視鏡検査によりアカラシアを強く疑うことが可能になってきている.食道体部運動異常を有する疾患に関しても,嚥下障害を認め,内視鏡検査においてらせん状収縮波,多発同期性収縮波,食道の狭小化(伸展不良)を認める場合には,食道運動異常症を有する可能性がある.内視鏡的に体部運動異常を見るためには食道中部でのスコープを固定し食道を観察することが重要である.アカラシア診断のgold standardはHigh-Resolution Manometry(HRM)であるが,HRMによる診断も絶対的なものではない.嚥下障害を有する患者に対しては,常に食道運動異常症を念頭に置き,内視鏡,食道造影,HRMによる総合的な評価をし,診断することが重要である.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570572703241996928
  • NII論文ID
    130008119532
  • ISSN
    03871207
  • DOI
    10.11280/gee.63.2308
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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