寒地における蜜蜂群の越冬に関する研究(1)

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抄録

寒地における蜜蜂群の越冬について,給餌条件(砂糖液給餌と蜂蜜給餌),群構成(合同と非合同),外包条件(木蓋と麻布蓋)および巣箱内空間(つぎ箱と単箱)の4つに対立要因をえらんで,それぞれが16の蜂群についていかに影響するかを試験し,さらに越冬期間中における1蜂群中のミツバチ直腸内容について調査を行った。その結果は次のとおりである。1. 砂糖液給餌群と蜂蜜給餌群とは他の対立要因に比して比較的t-valueが大であったが,とくに有意差はみとめられない。また合同群と非合同群,木蓋群と麻布蓋群および空間の大なる2段階(下室空)と空間小なる単箱群とのあいだにはいずれも有意の差がみられない。従ってこれら4つの要因は従来養蜂家のあいだに信ぜられているように越冬成績を大きく支配する要素として考えられない。2. 越冬期間中におけるミツバチ直腸内容物を調査したところ,大きさと重量は次第に増大し,排糞時になって急激に減少し,その色は黄色より次第に濃褐色をおび,排糞時黄褐色にもどる。これは越冬中摂食される食餌内にふくまれる不消化分の蓄積と関連した変化とみてよいであろう。

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