紡錘糸形成阻害剤処理によるコルチカム科属間雑種の染色体倍加

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抄録

コルチカム科には、グロリオーサやサンダーソニアなど、重要な花き園芸植物が含まれている。我々は、園芸形質の拡大および新奇品種の育成のために、これまでコルチカム科内で様々な属間雑種を作出してきた。本研究では、稔性の回復および更なる園芸形質の拡大を目的として、コルチカム科の二倍体属間雑種であるリットニア×グロリオーサ'ルテア'(Littonia modesta×Gloriosa superba 'Lutea'; Lit×Gsu-1; 2n=2x=22)の染色体倍加を試みた。シュート増殖培養物のシュートから茎頂を含む切片を調製し、様々な濃度のアミプロホスメチル(APM; 10、20または40mg L-1)、オリザリン(ORY; 5、10または20mg L-1)またはコルヒチン(COL; 100、500または1000mg L-1)を添加した液体培地で24時間振とう処理した。紡錘糸形成阻害剤処理2ヵ月後、10mg L-1 APM処理区において最も効率的に茎頂切片からシュートが伸長した。伸長したシュートの葉組織を用いてフローサイトメトリー分析を行ったところ、40mg L-1 APM処理区で四倍体(4x)のシュートが、また、10または20mg L-1 APMおよび5または10mg L-1 ORY試験区で倍数性キメラ(2x+4x)のシュートが確認された。これらの四倍体および倍数性キメラのシュートは、二倍体のシュートと比較して、節間が短縮したコンパクトな草姿を示した。

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