セイロンベンケイソウの組織培養に関する基礎的研究(5)

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  • Basic Research on Tissue Culture of Kalanchoe pinnata Pers.; Part 5, Studies of Conditions for Acclimatization of Growth of Cultured Plantlets

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抄録

セイロンベンケイソウの葉片培養由来の培養個体の成長に及ぼす順化中の育成条件について検討を行ったところ以下の点が明らかになった。順化中の光照射は、培養個体が成長するうえで必要不可欠の条件であった。育成環境は、ガラス越しの太陽光が当たる明るい場所に置かれた植物育成棚でよりも培養室(2000 lux、16時間日長)の方が適していた。また、順化に用いる培養支持体としては、高吸水性ポリマー、ピートモスは不適当で、最も適していたのは園芸用土(黒土)であった。セイロンベンケイソウのようなきわめて生育旺盛な植物の培養個体を順化する場合は、培養支持体の殺菌処理は特に必要ではなかった。順化前の培養個体はより旺盛な生育を示した方が、順化後の生存率は高いことが示された。総括的に見ると、セイロンベンケイソウの培養個体は根の分化が不十分であっても高い活着率を示したことから、順化も容易な植物であることが明らかになった。

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