自然教育園の酸性雨(第2報) : 森林内外の酸性雨について
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- 菅原 十一
- 国立科学博物館附属自然教育園
書誌事項
- タイトル別名
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- Acid Rain in the Institute for Nature Study (2) : Comparison of Acid Rain between Inside and Outside of a Forest
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説明
自然教育園の酸性雨第2報として,1995年12月〜1996年11月(1年間)の林外草原地及びスダジイ林,コナラ林の酸性雨測定結果について報告した。(1) 酸性雨は,降雨別の平均pH値で示した。(2)林外草原地は,年平均値がPH4.8を示し,都市の大気汚染を反映して酸性雨の降る確率が高くなってきている。(3) 対象的に,スダジイ林は,年平均値がPH5.7を示し酸性雨の降る確率が低くなっている。(5) スダジイ林は,上空からの酸性雨が葉層を通過するとき,葉面に付着捕集されたアルカリ性ばいじんにより中和されやすく多少酸性雨が弱まると思われる。ただし,酸性雨被害にどのように関係するかはわからない。(6) コナラ林は,前記2地点の両極端な特徴が交互に現れている。寒候(落葉)季は,林外草原地と類似した特徴を示し,暖候(着葉)季は密に繁茂した葉層の影響によりスダジイ林に類似した特徴を示すようになる。(7) 以上,自然教育園における酸性雨の降り方は,都市の大気汚染や気象条件,樹林環境などを複雑に反映していることが考えられた。
収録刊行物
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- 自然教育園報告
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自然教育園報告 28 7-25, 1997-03
国立科学博物館
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1570854176973348096
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- NII論文ID
- 110004312728
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- NII書誌ID
- AN00103849
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- ISSN
- 0385759X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles